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「サントリー美術館新収蔵品 コレクターの眼 ヨーロッパ陶磁と世界のガラス」展、現代の二人のコレクターの貴重なコレクション約200件を公開!

Category: 展覧会


展示風景

本日から3/12まで開催されるサントリー美術館の「サントリー美術館新収蔵品 コレクターの眼 ヨーロッパ陶磁と世界のガラス」の内覧会に行ってきました。今展では、近年サントリー美術館のコレクションに加わった、野依利之氏によるヨーロッパの陶磁器と、陶芸家の故辻清氏による古代から現代にかけてのガラスのコレクションをお披露目!各コレクションを第一部、第二部に分け、合わせて約200件を展示します。高い審美眼を持って集められ、両氏の愛情に満ちたコレクション。同館では元々、焼き物やガラスのコレクションは収蔵されていましたが、今回展示される西洋の焼き物や、古代ローマ、オリエントのガラスの収蔵は少なく、必見です!


「色絵グロテスク文アルバレロ」16世紀以降 イタリア
「野依コレクション ヨーロッパ陶磁」の中で、約20年前、野依さんが初めて出会った作品「アルバレロ」。美術商としてアール・ヌーヴォー期の優れたガラス芸術を数多く日本へ紹介する一方で、分野・地域・時代の枠組みを越え幅広く美術工芸品を蒐集してこられた野依さん。野依さんはご自身のコレクションについて「ガラスだから、やきものだから、絵画だから、という思い入れの差は無くて、純粋に美しい、とか、かわいらしい、と思うその時々のすなおな感動に従って集めてきたもの達ですから、私にとってはどの作品も等しく愛おしい存在です」とおっしゃています。

「野依コレクション ヨーロッパ陶磁」の中心は、オランダのデルフトウェア。デルフトウェアは、17世紀初め、オランダに輸入された中国磁器に触発されて誕生しました。中国磁器のように白く、艶やかな表面に、コバルトブルーで文様を描いたデルフトウェアは、最も精巧な中国磁器のイミテーションとして、急速に市民権を得ていき、デルフト製陶業は国内向け製品と輸出向け製品の両方に拡大し、最盛期は1680年代を頂点とする17世紀後半から18世紀前半です。野依コレクションのデルフトウェアの多くは、この17世紀後半〜18世紀前半の東洋趣味の作品で構成されています。写真上のお皿も染付または色絵で華やかに絵付けされ、柿右衛門、古伊万里金欄手を模した東洋趣味の人物図、花鳥図が描かれています。皿は単なる食器ではなく、装飾品の役割も果たし、これら東洋趣味の絵柄は特に流行しました。会場では、デルフト産業の活気が伺える作品の数々を見ることができます。

あたたかみのある白さに見入ってしまったのが、こちらの「ホワイトデルフト」。17世紀から18世紀、デルフトの陶工は、染付や色絵のデルフトウェアと同様に無地のアイテムも制作。この通称「ホワイトデルフト」の多くは、装飾品ではなく実用品でした。しかしながら、フェルメールをはじめ当時のオランダ絵画の中では、白いデルフトウェアの皿や水差しがしばしば室内に飾られており、画中において象徴的な役割を果たしていることがあるそうです。フェルメールの絵画で見たあの象徴的な陶器は、この「ホワイトデルフト」だったのですね。


「マーブルガラス瓶」1世紀初期イタリア−中期 東地中海沿岸地域あるいはイタリア

陶芸家としても名を馳せる一方、無類の古美術好きとしても有名だった辻清明氏(1927-2008)。幼少の頃からガラスに興味を持ち、 ガラスは焼き物と同じ炎の芸術であること、そしてガラスの透明性、光の屈折に強く魅了されていたのだそう。ガラスは元々ラピスラズリやトルコ石などの宝石の代替品として、発達したもので、けっして透明な素材というわけではなかったという歴史があります。2000年ほど前から透明な素材になっていくのですが、辻氏は不透明なガラスも集めています。今展では写真上のガラス瓶のように、古代ローマ、オリエントの不透明なガラスも見ることができます。

辻氏のコレクションは古代ローマからオリエント、中国、ヨーロッパ、そして和ガラスに及びます。イギリスのカットガラスにプリズムのような重厚な輝きを見い出す一方で、ヴェネ チアングラスのドレスを纏ったような瀟洒な装飾性にも目を奪われました。しかしお国柄を超えて一貫していたのは、透過、屈折、反射という素材本来の特質であったことが分かります。

「薩摩切子菊文皿」19世紀後半(江戸後期-明治初期)
辻氏のコレクションした切子は全て無色透明。そのこだわりと切子への愛情が感じられます。

辻清明氏の手によるガラス作品5点。60歳を越えて、遂にガラス制作に乗り出した辻氏。日常生活の中心で、触れては愛で、焼きものの制作へ活かす、そのために器をコレクターされていたと伺いました。展示作品1つ1つからコレクションへの愛情が伝わってきます。

サントリー美術館新収蔵品 コレクターの眼 ヨーロッパ陶磁と世界のガラス

会期 2017年1月25日(水)~3月12日(日)
会場 サントリー美術館
住所 東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階
料金 一般 1,000円、大学・高校生800円 ※中学生以下無料 ※障害者手帳をお持ちの方は、ご本人と介護の方1名様のみ無料
主催 サントリー美術館、朝日新聞社
協賛 三井不動産、三井住友海上火災保険、サントリーホールディングス

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