| セザンヌやゴッホにあこがれ、1923(大正12)年に渡仏した佐伯祐三(1898〜1928)は、翌年の初夏にゴッホが晩年を過ごしたパリ近郊の小村、オーヴェール=シュル=オワーズを訪れ、フォーヴィスム(野獣派)の巨匠モーリス・ド・ヴラマンク(1876〜1958)と出会った。
素早く力強い筆致と存在感のある重厚な画肌を特徴とする、ヴラマンクの油彩画に触発された佐伯は、パリのアトリエに移ってから、哀愁を帯びたパリの街角の風景を描いたモーリス・ユトリロ(1883〜1955)の作品からも多大な霊感を得て、「アントレ ド リュー ド シャトー」のような古きパリの街並をモティーフとした風景画を数多く描いた。
彼の作品は、パリで開催されたサロン・ドートンヌで高く評価され、日本の洋画界にも衝撃を与えた。
本展覧会では、日本の近代絵画史において傑出した存在である洋画家、佐伯祐三と、彼に多大な影響を与えたフランスの画家ヴラマンク、ユトリロ、そして佐伯をめぐる日本の洋画家たちに焦点をあて、佐伯の芸術の形成とその影響を再検証する。 (内呂博之/ポーラ美術館学芸員)
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