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三井記念美術館の「地獄絵ワンダーランド」魅力溢れる地獄の世界を探索!!

Category: 展覧会

「地蔵・十王図」

7月15日から9月3日まで開催される特別展「地獄絵ワンダーランド」の内覧会に行ってきました。
同展は様々な時代に描かれた多様な地獄絵が展示されていますが、上の写真の作品のような17世紀の素朴な、いわゆるへたうまの地獄絵が目玉の一つになっています。凄惨な場面にも関わらず、どこかユーモアがあり、楽しげな地獄絵がなぜつくられ、人々に受け入れられたのか。古代から描き継がれ、変容し続けてきた地獄絵の奥深い世界を堪能できます。



水木しげる作品展示風景

水木しげるの絵本『水木少年とのんのんばあの地獄めぐり』(2013年発行)の原画で八大地獄をめぐるコーナー。のんのんばあとは、水木しげるの幼少期に実家の近所に住んでいた実在のおばあさん。しげる少年のお守り役として、いろいろな妖怪のことを教えてくれ、そのことが妖怪の絵やマンガを描くきっかけになっといいます。水木少年は近くの正福寺というお寺に連れて行かれ、のんのんばあが和尚さんと話す間に、本堂にある地獄極楽の絵にひかれ、長時間見とれ空想にふけったそう。
クリアな写真はお見せできませんが、是非会場に行ってじっくりと水木しげるの描く地獄絵をご覧ください。水木しげるの描く現代の地獄絵。非常にわかりやすくて面白いです。

展示風景

仏教が説く「六道」は、衆生が生前に行った善悪の業因によって、生死を繰り返すという6つの迷いの世界のこと。地獄・餓鬼・畜生・阿修羅・人・天の6つがあります。六道の世界を生まれ変わり、死に変わり続けることを「六道輪廻」といい、この六道を描いた絵が六道絵と呼ばれ、日本では平安時代以降、盛んに描かれました。燃え盛った炎が強烈な「阿鼻地獄」は無間地獄ともいい、八大地獄の最下部にあります。逆さまに2000年落ち続けて到達するとか。鉄のオロチと大蛇や虫があふれ、亡者は猛火で焼かれ、舌を鉄釘で貼り付けられ……など悲惨な地獄の光景が描かれます。

富山県の立山連峰は、古代より死者の魂の集う霊山として信仰され、同時にその過酷な自然環境から、山中に地獄と浄土が共存すると考えられてきました。写真右の「立山曼荼羅」は、立山の宿坊衆徒たちが諸国にお札を配り、参詣を勧める時の絵解きに用いた絵画で、近世から近代にかけて多くの立山曼荼羅が制作されました。聖なる山にある「あの世」は、天国地獄が共存しながらも、とても神聖な様相です。写真左の「熊野観心十界曼荼羅」も、地獄や極楽の様相を絵解きし、庶民に熊野への参詣を促す時に使われたそう。これらの絵解きにより、一般庶民にも地獄のイメージが浸透していったのです。

幕末から明治期にかけて活躍した画家、河鍋曉斎の「閻魔・奪衣婆図」。右幅に描かれるのは、短冊を枝に結ぼうとする遊女と、その踏み台にされる閻魔の姿。左幅には、美男子の若衆に白髪の手入れをさせる奪衣婆が描かれています。閻魔と奪衣婆の醜悪さと、遊女と若衆の美しさが対照的。

地獄絵ワンダーランド

会期 7月15日(土)〜9月3日(日)
会場 三井記念美術館 中央区日本橋2-1-1 三井本館7F
観覧料 一般1,300円、大学・高校生800円、中学生以下無料
主催 三井記念美術館、NHK、NHKプロモーション
協賛 日本写真印刷

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