美術の窓

無料ニュースレターの購読

福島瑞穂先生の講演会が開催、芸術と人生について語る

Category: ニュース

1977年にスタートした日曜画家展。横浜市民ギャラリーで5月24日から1週間開催され、今年40周年記念となる同展の記念イベントとして、5月17日に神奈川県民ホールにて福島瑞穂先生の講演会が開催されました。福島先生(現在独立美術協会会員、女流画家協会委員)は広島県尾道市に生まれ、16歳の時独立展に入選、以後毎年出品され、女流画家展 女流画家協会賞、独立展 独立賞、安井賞展 佳作賞受賞など、国内の主要な賞を受賞、活発な作家活動をされています。
講演会ではまず、師であるオシップ・ザッキン氏との出会いや、これまで話したことがなかったというザッキンに習ったことにつてお話いただきました。先生が一番ザッキンに言われたことは、「ものがのっかっている土台、床とかテーブルとかをしっかり描きなさい。のっかるだけの力のある土台をつくらなければいけない」ということでした。上の写真はザッキンとの思い出の写真。




福島先生はこれまで制作してきた作品についても貴重なお話をお聞かせくださいました。上の写真の作品「グロテスク」についてのお話。「フランスのお肉屋さんなどですごくにっこりした顔の牛や豚が飾られ、羊かヤギの首が何百もころがっているのをずっと見てて、描きたいと思った時に、とにかくその怖さになれるまで、美しく見えるまでじっと見ていると、美しいというか、描きたいという気の方が前に出てきます。それで人間はグロテスクなものだな。そういうことを描きたいということと、人間自身が自分たちは動物の中では優れたものだと思っていることに対して、私自身は人間の汚さの方がわかっているから、人間を動物園のように檻に入れて描く。自分としたらおかしいんじゃないのっていう気持ちで、人間の世界を檻に入れて描くことを何年かやりました」。

また、演題の「幕間(まくあい)」についても、興味深いお話をされました。イギリスの文人、ウォルター・ペイターが書いた 「ルネサンス」という本の中で、人の一生を幕間という言葉で表現した文章があります。それが以下の言葉、「この幕間を、ある人は無為に過ごし、そしてある人は激情のうちに過ごす、そして最も賢明なものは芸術と歌のうちに過ごす」。そしてさらに歌と絵で一生を過ごした人は非常に有意義に生きたといえるが、その生き方が激情でなければならないと締めくくってあるそうです。福島先生はこの言葉のように激情のうちに絵を描いていきましょう、と講演会に来られた絵を描いている方々に呼びかけられ、それがご自身のモットーでもあるようでした。御年80歳になられる福島先生の正直で率直、加えてユーモア溢れる人柄と、絵に対する情熱的な姿勢も伺えた充実の講演会でした。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

―人気の記事―

お問い合わせ
  • 株式会社 生活の友社
  • 〒104-0061
  • 東京都中央区銀座1-13-12 銀友ビル4F
  • Tel. 03-3564-6900
  • Fax. 03-3564-6901
[ 美術の窓 ]
[ アートコレクターズ ]
[ ARTcollectors' in Asia ]
[ 書籍 ]
[ オンラインショップ ]