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ボナール、ドニ、ヴァロットンらの傑作が一堂に!「オルセーのナビ派展」東京・三菱一号館美術館で明日から開催

Category: ニュース, 展覧会

会場風景。親密派(アンティミスト)の代表的作家として知られるエドゥアール・ヴュイヤールの「公園」。

19世紀末、自らを「ナビ」と称する、若手芸術家グループがパリで誕生しました。「ナビ」とはヘブライ語で預言者のこと。ゴーギャンに強い影響を受けた彼らは、フラットな色面、装飾性を重視した斬新な画面構成で、20世紀美術への架け橋となる先駆的な作品を数多く生み出しました。

明日から東京・三菱一号館美術館で始まる「オルセーのナビ派展:美の預言者たち──ささやきとざわめき」では、フランス・オルセー美術館が所蔵するナビ派コレクションの傑作が来日。ボナール、ドニ、ヴァロットン、ヴュイヤールら、13名の作家による絵画、彫刻、工芸、デッサンなど全81点が一挙公開されます。一足お先に、会場の様子をお伝えします!

会場風景。アリスティード・マイヨール「女性の横顔」。裸婦彫刻を多く手掛けたマイヨールですが、初期は絵画も制作していました。

会場風景。右はスイス出身で「異邦人のナビ」と呼ばれたフェリックス・ヴァロットンの「アンティミテ」シリーズ。左はヴュイヤールの「エッセル家旧蔵の昼食」。

会場風景。ゴーギャンがポン=タヴェンで若きポール・セリュジエに伝えた言葉が紹介されています。ゴーギャンの教えのもとに描かれた1枚の風景画が、ナビ派の結成に繋がりました。会場では、セリュジエが描いたナビ派の記念碑的作品「タリスマン(護符)、愛の森を流れるアヴェン川」も出品されています。

会場風景。ヴァロットンによる室内画が並びます。

会場風景。装飾性を追求したナビ派の活動は、絵画だけでなく屛風やタピスリーなど、様々な分野に展開していきました。こちらはヴュイヤールによる磁器の皿。

ナビ派の作家たちは、「親密派(アンティミスト)」と呼ばれたボナールやヴュイヤールをはじめ、日常の身近な主題を好んで描きました。今回の展覧会でも、庭の女性たちや子どものいる風景、室内画などが多数出品されています。ナビ派は絵画の奥行きを排除し、意匠化された植物や人物の描写によって、装飾性の高い色彩豊かな画面を作り上げました。

会場風景。ひときわ装飾的な画面で目を引く、ボナールの連作「庭の女性たち」。こちらの作品はもともと屛風として制作されたもの。

ナビ派を語る上で、ジャポニスムの影響は欠かせません。彼らの多くは浮世絵版画に親しみ、とりわけボナールは「日本かぶれのナビ」と呼ばれるほど、日本の美術に深い関心を寄せていました。ナビ派の余白を生かした構図、文様化された植物の描写などには、彼らが日本美術から学びとったエッセンスが感じ取れます。

会場風景。左から、「彫刻家のナビ」と呼ばれたジョルジュ・ラコンブによる彫刻作品、ポール・ランソン「黒猫と魔女」、マルグリット・セリュジエ「谷間の風景 四曲屛風」。

日常的な主題を描く一方で、ナビ派は目に見えない世界──精神性、秘教主義、宗教、夢や非現実──にも深い関心を寄せていました。最終章「裏側の世界」では、神話や魔術をテーマにした作品が展示されています。

「日常」と「神秘」をテーマに、それまでの西洋の伝統絵画とは全く異なる道筋を切り拓いたナビ派の作家たち。彼らは単にラディカルな様式を追求しただけでなく、そこに微妙な心理や神秘主義的な要素を織り込み、独特の詩情ある世界を作り出しました。

展覧会の特設ショップの様子。ナビ派の作家たちの似顔絵が描かれたTシャツやバッグの他、塗り絵付きポストカードセット、ナビ派の作品をイメージしたアクセサリーなど、バリエーション豊かなラインナップ。

オルセー美術館・オランジュリー美術館総裁のギ・コジュヴァル氏。もともと印象派のコレクションが充実していたオルセー美術館ですが、コジュヴァル氏の館長就任期からナビ派の収集にも力を入れ始め、今では世界屈指のナビ派コレクションを所蔵しています。

じつは同展は、日本で本格的にナビ派を紹介する初めての展覧会。本国フランスでも、ボナールやドニといった個々の作家は広く知られているものの、ナビ派に焦点を当てた展覧会はこれまで例がないそうです。まさに必見、大充実の展覧会といえます! 特に、当初は屛風作品として制作されたボナールの「庭の女性たち」や、ヴュイヤールの「公園」などの大型作品は、ぜひ会場でその華麗な装飾美を楽しんでいただければと思います。

 

小誌3月号表紙。表紙作品はボナールの「格子柄のブラウス」(部分)。

そして、2月20日発売の小誌「美術の窓3月号」では、巻頭特集で約40ページにわたり、ナビ派の魅力をドドンとご紹介します! 豊富なグラビアをはじめ、三菱一号館美術館館長・髙橋明也氏によるインタビューも収録。ナビ派誕生の経緯や鑑賞のポイント、作品にまつわるエピソードも満載のナビ派ファン必携の1冊となっております。展覧会の予習、復習にもピッタリ。現在Amazonでもご予約受付中です!

展覧会は明日2月4日から5月21日まで。オルセー美術館が誇るナビ派の傑作に触れるまたとない機会、ぜひ会場に足を運んでみてはいかがでしょうか。

「オルセーのナビ派展:美の預言者たち──ささやきとざわめき」

会期:会期:2017年2月4日(土)~5月21日(日)
会場:三菱一号館美術館
住所:東京都千代田区丸の内2-6-2
電話番号:03-5777-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10:00~18:00(祝日を除く金曜、第2水曜、5月15日〜19日は〜20:00)※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜(但し、3月20日、5月1日、15日は開館)
入館料:一般 1700円 / 大高生 1000円 / 小中学生 500円

主催:三菱一号館美術館、読売新聞社、オルセー美術館

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