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「六本木クロッシング2016展:僕の身体、あなたの声」が開幕 日本の現代アートから今日の社会とアートを考える

Category: 展覧会

片山真理 「you’re mine ♯001」2014年(画面右)

明日から開催される「六本木クロッシング2016展:僕の身体、あなたの声」。2004年から3年に1度開催されているシリーズ展で、5回目となる今展では日本、韓国、台湾の4人のキュレーターによって選ばれた20組のアーティストのバラエティー豊かな表現を通して、日本の現代アートを幅広い視点から検証し、今日の社会とアートについて考察します。グローバル化やIT、SNSの変化により、水平方向のコミュニケーションが増え、個人のストーリーに光が当たることが多い今日、「私」と世界、「私」と歴史とのつながりや、「私」と未来までも、立ち止まって考えさせられる展覧会です。 

石川竜一 「OP.001208 2011 Ginowan」(「okinawan portraits 2010-2012」シリーズより)2016年

沖縄の人々や風景に、ときとして撮影者と被写体の境界を超えるほど接近する石川竜一。今回初めて顔にフォーカスし、3000人近い沖縄の人の顔を撮影したそう。沖縄の歴史や沖縄に住む人々の現在、それぞれの生活、1人1人の顔に強烈に迫ってくるものがあります。

後藤靖香「寄書」2008年

広島出身の後藤靖香は親戚から聞いた具体的な戦争体験を描いてきました。墨汁を使って大胆に描かれた出品作はいずれも、従軍した後藤の祖父をテーマにしたもの。深刻な場面ながらも個性豊かな表情があり、各人の個性が感じられます。祖父の戦争体験が孫である作者によって見る者と共有されます。


長谷川愛作品

同性カップルの間に誕生する子供をテーマにした長谷川愛の作品。「iPS細胞の研究が進めば、同性間でも子供を作れるようになるかもしれない。その時いったい誰がどのように、この技術の使用の是非を決めるのだろうという疑問が浮かびました」(作家の言葉)。作品の下には食べ物や性格などに関する遺伝情報が事細かに書かれています。科学の発展により、個々人の考え方も変化し、その先の人間の大原則も変わっていくであろう未来。科学と生命、未来の家族のかたちについて、友人や家族と議論が盛り上がりそうなコーナーです。

松川朋奈 「朝4時までは待っていて」2015年(画面左)

六本木に住む、もしくは働いている女性にインタビューし、現れてきた彼女たちの姿が描かれています。糸のほつれや妊娠線の跡、化粧くずれなど、女性の傷や汚れた部分が浮かび上がり、見る者も人ごとではないような気持ちにさせるような作品が並びます。

他にもインスタレーションや映像作品まで、歴史や身体、性、風景の新たなイメージを描き出した作品が展示され、どれもはっきりとしたコンセプトを持った作品が揃っているので、濃密な鑑賞体験ができること必至。時間をかけて、1つ1つじっくりと味わうほどに旨味が増し新たな発見ができる、今年必見の展覧会です。

六本木クロッシング2016展:僕の身体(からだ)、あなたの声

会期:3月26日(土)〜7月10日(日)

会場:森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)

観覧料:一般1,800円  学生(高校生・大学生)1,200円 子供(4歳〜中学生)600円 シニア(65歳以上)1,500円

主催:森美術館

お問い合わせ 03-5777-8600(ハローダイヤル)

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