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東京国立近代美術館で「安田靫彦展」始まる 「黄瀬川陣」など代表作を含む過去最大規模の全108点が公開

Category: 展覧会

会場風景。手前が代表作のひとつである、重要文化財「黄瀬川陣」1940-41年 東京国立近代美術館蔵

東京国立近代美術館で昨日から始まった「安田靫彦展」。岡倉天心の薫陶を直接受けた最後の世代のひとりであり、日本美術院の中核を担った日本画家・安田靫彦(1884~1978)。生涯をかけて歴史画を描き続け、日本近代史における日本画の発展に大きく寄与しました。同展では代表作を含む108点で、靫彦の80年におよぶ画業を紹介しています。

会場風景。画業の初期に描かれた「守屋大連」(中左、1908年 愛媛県美術館蔵)は、気迫あふれる写実的な人物表現が目を引きます。

1884年、東京に生まれた靫彦は、展覧会で目にした横山大観や下村観山、菱田春草らの作品に感動して画家を志します。14歳で歴史画家の小堀鞆音に入門。しかしわずか2年で鞆音の指導を離れ、研究団体「紫紅会」を拠点に、新しい歴史画を模索するようになります。

会場風景

1907年には岡倉天心に認められ、天心のはからいで奈良へ留学、古典芸術を学ぶ機会を得ました。一次結核に倒れるも、療養中に資金援助をしてくれた原三渓のもとで古美術に触れるなど、教養を深めます。そして1914年には日本美術院の再興に参画。こうした転機を経て、靫彦の作風は時代ごとに変遷していきました。初期はいったん写実へ傾倒するものの、古典芸術への共感とともに画風は簡潔さを増していきます。端正な描線や余白を生かした構成、澄んだ色彩といった、現代においていわゆる「日本画らしい」といわれる様式を、靫彦は歴史画を描き続ける中で独自に確立していったのです。

会場風景。同展では戦時体制下に描かれた作品群も充実しています。

会場風景

東京国立博物館では、画家の生前の1976年に靫彦の回顧展を開催しており、大規模な回顧展としては40年ぶりの開催となります。ちなみに同館で回顧展が2度開催された日本画家としては東山魁夷、菱田春草につづき3人目だそう。今回は76年の展覧会には出品されなかった作品も多数出品されています。なお同展は前期・後期で49点の展示替えがあるため、「108作品を全て見たい!」という方には「頼朝・義経券」と命名された観覧券2枚セットの購入がおすすめ。当日券2,500円でお得に展覧会が2度楽しめます(※販売期間は4月17日(火)までなのでご注意ください)。

ミュージアムショップの様子

会場風景

展覧会は5月15日まで。明治・大正・昭和という社会がめまぐるしく変化する時代の中で、靫彦は何を主題に選びとり、それらをどう描いたのか。その80年の全画業をどうぞお楽しみください。

安田靫彦展

会 期:2016年3月23日(水) ─ 2016年5月15日(日)

会 場:会場東京国立近代美術館(東京都千代田区北の丸公園3-1)

観覧料:一般1400円(1000円)/大学生900円(600円)/高校生400円(200円)

※()は20名以上の団体料金 ※中学生以下、障がい者手帳をご提示の方とその付添者(1名)は無料

主 催:東京国立近代美術館、朝日新聞社、BS朝日

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