ARTcollectors' in Asia

Subscribe to Our Free Newsletters

アートバーゼル香港アジアディレクター、アデリン・ウーイが語る、アートバーゼル香港がアジアに果たす役割

Category: art fair, interview

アートバーゼル香港 2015よりアジア・ディレクターに就任したアデリン・ウーイ Adeline Ooi Director Asia, Art Basel © Art Basel

昨年、アートバーゼル香港 2015より新たにアジアディレクターに就任して以来、世界各地を廻り多忙な毎日を過ごすアデリン・ウーイさん。3月24日から26日まで香港コンベンション& エキシビションセンター (HKCEC)にてアートバーゼル香港2016開幕を控え、来日したアデリンさんに、今年のアートバーゼル香港の展示について、アジアのアートにアートバーゼル香港が果たす役割、アジアのコレクターについてなど話を伺った。

アートバーゼル香港 2015の会場より Art Basel in Hong Kong 2015 General Impression © Art Basel


── まずは今回のアートバーゼル香港についてお話し下さい。

アデリン 過去46年間、アートバーゼルはギャラリーとその所属アーティストをマーケットの側面から支えて参りました。マーケットというアート界のエコシステムを維持することで、アートの多様性の保持に広く貢献していると思っています。アートバーゼル香港は今回が4回目となりますが、過去3回と同様にアジアの多様なアートシーンの紹介につとめて参ります。開催時期を3月に移動させたことで、20件以上の国際的に活躍するギャラリーの初参加にも繋がりましたし、コレクターやキュレーター、アート関係者についても国際的に幅広い皆様に来場していただくことが可能になりました。今年は世界35ヶ国・地域から239件のギャラリーが参加します。本年も引き続き、アジアソサエティやアジアアートアーカイブ、パラサイトアートスペース、香港アートセンターなど様々な文化機関とのコラボレーションも行います。西と東の繋がり、アジアにおける多様でダイナミックなアートシーンをぜひ多くの皆様に体験していただきたいと思っています。

── これまでアートバーゼル香港に出展する日本のギャラリーは、いわゆる『コンテンポラリー」と言われる現代美術をメインに扱うギャラリーのイメージがありましたが、今年はピカソや梅原龍三郎といった近現代を扱う老舗ギャラリー、日動画廊が初めて出展することになりました。

アデリン アートバーゼル香港は、今回が4回目のまだ若いアートフェアです。これから長い時間をかけてビルトアップしていかなければなりません。その中で積極的に多様性を取り入れていくことが長い将来に繫がると考えています。

── 日本の具体にしてももの派にしても、今現在の美術ではなく、少し前のものに対する評価が高まっています。その一つの要因はマーケットでその時代の作品が実際に高額で扱われていることが考えられます。そういう意味ではアジアのアートの流れを改めて検証し、歴史を作っていく一つの場として、アートバーゼル香港の果たす役割は大きいと思います。

アデリン アジアにとって、アートマーケットというコンセプト自体が新しいものです。1970年以来、アートバーゼルに蓄積されているノウハウをもとに、仰るような歴史を作る、再検証する側面はとても重要になってくるだろうと思います。



アートバーゼル香港 2015、フィルムセクターの様子 General Impression Art Basel in Hong Kong 2015 | Film © Art Basel

── 今年からフィルムセクターが、展示会場と同じ香港コンベンションセンターでも上映されることになったそうですね。

アデリン はい。これまで上映していた香港アートセンターの中のアニエス・ベー・シネマではショートフィルムを、コンベンションセンターでは長編フィルムなどを上映します。香港にアートが浸透しているといっても、やはりまだ完全とは言えません。日本ほど美術館もなく、一般の人達がアートに接する機会は多いとは言えないので、一般の皆さんにアートへの様々な入口を開いていくことが重要だと考えています。フィルムセクターのプロデューサー李振華と話しをしていくなかで、やはりビデオやフィルムにはストーリーがあって、理解されやすいということで意見が一致しました。アートバーゼルにはもともとフィルムに関してもコネクションがあるので、それを活かしてこれまでよりも強化しようということで、今回は会場を2箇所に増やしました。フィルムセクターは無料で皆さんに鑑賞して頂くことができます。

── ICC香港とアートバーゼルの共同コミッションとして、宮島達男さんが香港一の高さを誇るICCのビルを使って大型光インスタレーションを行われるのも、誰もがアートに触れることのできる絶好の機会になりますね。

アデリン 香港のあらゆる場所から、宮島さんの光り輝きながら落下してく数字のアートを皆さんに楽しんで頂けるのはとても喜ばしいことです。同時期に香港ではK11 Art Foundationとブリティッシュカウンシルが共同で、アンソニー・ゴームリーの彫刻を香港の街中に展示するプロジェクト「Event Horizon」を行いますし、2017年にオープンを予定しているM+も所蔵品の中核をなすユリ・シグ・コレクションの展示をArtist Treeで行ったり、様々なアートイベントが予定されています。アートを鑑賞するためにはやはり見るための方法を学ぶ必要がありますし、こうしたイベントでたまたまアートに触れて、さらにアートへの興味を深くして頂くことができたら嬉しいです。

── 今のお話しにあったK11もそうですが、中国の若いコレクターがアートを使って社会と密接に関わっているというアデリンさんの記事を拝読しました。若手のアーティストや地域のアートを盛り上げる役割を中国の若いコレクターが率先して行っているそうですが。

アデリン やはりそのジェネレーションが次のオピニオンリーダーになっていくというところもあって、これまでのコレクターの場合、プライベートはあまり明かさないというタイプが多かったのかもしれませんが、若い彼らの場合は自身の家を開放してアートを見せるといったこともしていたり、積極的に社会と関わる姿勢が強く見られるという点は素晴らしい動きだと思います。

 今、中国ではそれぞれの街に新しい美術館が数多く作られ、公的機関のサポートにも勢いがあります。今後は公的なものと私的なものが互いに連携していく、例えば国や市が大きなビルを建てた場合に、コレクターが自身の作品を貸し出すというような形も1つのコラボレーションとして考えられますし、これから色々なことにトライできる段階だと思います。それは既にコレクターという存在が明確に定義されている欧米とはまた異なるアジアの良さではないでしょうか。



アートバーゼル香港 2016

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

お問い合わせ
  • 株式会社 生活の友社
  • 〒104-0061
  • 東京都中央区銀座1-13-12 銀友ビル4F
  • Tel. 03-3564-6900
  • Fax. 03-3564-6901
[ 美術の窓 ]
[ アートコレクターズ ]
[ ARTcollectors' in Asia ]
[ 書籍 ]
[ オンラインショップ ]