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インタビュー:サンタフェで日本の現代美術の展覧会がこの夏開催に!

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Category: interview

「Impacts! 勢み」@ゼーン・ベネット・コンテンポラリーアート プレビューの様子

サンタフェというと、日本の美術ファンにはジョージア・オキーフのイメージが強いかもしれない。じつはこのサンタフェは全米のアートマーケットにおいて、1位のニューヨークに次いで2位、あるいはロサンゼルスに次いで3位の規模を誇る。それを裏付けるように人口8万人の町には250ものギャラリーが存在する。特に夏の期間は全米各地からセレブをはじめ多くの人々が避暑に訪れ、アートシーンも活発化する。そのサンタフェにあるギャラリー、ゼーン・ベネット・コンテンポラリーアートがこの夏、日本の現代美術を集めた「Impacts! 勢み」展をはじめ、日本文化を紹介するジャパン・アート・フェスタを開催する。日本の現代美術がサンタフェにどんな「Impact」を与えるのか? 来日中のサンディ・ゼーン、ネッド・ベネット、シンジ・オチアイに話を伺った。

―― ゼーン・ベネット・コンテンポラリーアートのホームページを拝見すると、吹き抜けの天井と広い展示スペースを持つ、とても素敵な空間ですね。取り扱いアーティストでは20世紀の巨匠が多いようですが、今回はなぜ日本の現代美術のグループ展を企画されたのですか?

サンディ ギャラリーが扱っているアーティストは3つのカテゴリーに分かれます。このギャラリーはオープンして8年ほどで、まずセカンダリーマーケットがあります。著名なアーティストの版画作品に関しては5,000点ほどのコレクションがあります。次には、ヨーロッパ系、特にフランスとイタリア出身の国際的なアーティストがいます。3つ目は、サンタフェとその周辺地域のアーティストたちです。アジア、日本のアーティストの展覧会は今回が初の試みです。ゼーン・ベネット・コンテンポラリーアートはニューメキシコの中ではトップ3のギャラリーに位置づけられています。ほぼ毎月、企画展を行っていますが、夏に行われる展覧会は特に注目されています。ニューヨークの場合、夏の展示はほとんどメインのアーティストを扱うものではありませんが、サンタフェはその逆です。なぜなら、ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルスをはじめ、全米の人々がこのサンタフェを避暑で訪れアートシーンをご覧になるからです。ですからここでの夏の展示はとても重要で、今回はミヅマアートギャラリーさんと組んで、日本の先端をいくアーティストたちを紹介したいと思いました。

展示風景

―― 展覧会ではO JUN、会田誠、棚田康司、近藤聡乃をはじめ、約17名のアーティストが出展されますね。その中でサンディさんが特に注目しているアーティストはいらっしゃいますか?

サンディ まずは江口綾音さん、そして石原七生さん、天野喜孝さん。アメリカでは60代、70代のコレクターが多く、新しいコレクター、特に若い年齢層を開拓するために、今名前を出した方に注目しています。

 今では、インターネット上の販売が伸びつつあり、サンタフェで紹介しても、グローバルにお問い合わせが来ます。そう言う意味で、日本人アーティストにしても、サンタフェで情報を発信することには意味があります。

―― サンタフェではまだ日本の現代美術はあまり紹介されていませんか? 

サンディ はい。サンタフェでは、日本に限らずアジアのマーケットとの繫がりが殆どありません。もちろん、小規模に紹介されたこともありますが、ビジネスとしてはまだ成り立ちません。マーケットを作るためには、作品展示だけでなく、教育の点も重要です。ですから今回は展示にあわせてお茶会や出展アーティスト、専門家のトークショーなども企画しています。また、加藤愛さんのライブパフォーマンスも予定しています。

 サンタフェでは8月18日からネイティブ・アメリカンの芸術品、ファッションなどを展示販売する「インディアン・マーケット」という、全米の夏最大のアートイベントが行われます。同時期に、Site Santa feというビエンナーレも開催されます。サンタフェで最も人が多い時期に、私たちはジャパンアートフェスティバルとして、展覧会を含め日本の文化を紹介しようと力を入れているんです。展覧会タイトルの「Impacts! 勢み」のように、見て下さる方にぜひサプライズみたいなものを起こしたいですね。

展示風景

―― 「フィルム」に関する展示もあるそうですが、具体的にどういったものを上映されるのでしょう?

オチアイ まず、近藤聡乃の映像作品は上映します。それに加え、黒沢明映画をはじめ、日本を代表する映画及び映像作品を上映しようと現地の劇場に提案しているところです。じつはその劇場は、日本の映画のフィルムも持っていたりするんです。

―― 今回は日本だけを廻られたのですか? 

サンディ いいえ、アジアの現代美術の調査もかねて、香港、シンガポール、上海を廻り、昨日東京に戻りました。いろいろな作品を見て、アーティスト達にも会いましたので、今後も毎年、日本も含めてアジアのアーティストの展示をしたいと思っています。

オチアイ マーケットの観点からだけではなくて、アジアとサンタフェのアーティスト同士がコミュニケーションをはかることで、お互いにインスパイアされるといいですからね。

―― サンディさんとネッドさんはご自身のギャラリーについてどうお考えですか?

サンディ 私は元々アーティストだったんです。アメリカのバード大学出身で、70年代にニューヨークで個展を開いたこともあります。その後アーティスト活動は続けられなかったのですが、アートに携わりたいという気持ちは変わらず、このギャラリーがオープンした時、やっと夢が実現したと思いました。

ネッド サンディはアートが若者の教育にもなるし、地域の人にアートの価値を理解してもらえることは重要だと思っています。だから彼女にとっては、ビジネスとしてだけでなく、ライフワークのようなものでしょう。地元のコミュニティ・カレッジの生徒たちに、自分たちで展覧会を企画したり、実際にギャラリーを運営してみるような機会も与えています。サンタフェの中心地にある私たちのギャラリーは、やはり啓蒙活動のような支点もあるということなんです。アーティストのステイトメントは一番重要ですけど、そのメッセージをより多くの人に理解してもらえるようにすることが私たちにとって大切だと思っています。

展示のために来日した、ゼーン・ベネット・コンテンポラリーアートのオーナーのサンディ・ゼーン(中)、ネッド・ベネット(右)と、エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデントのシンジ・オチアイ(左)

(5月27日ミヅマアートギャラリーにて)

「Impacts! 勢み」 JAPAN ART FESTIVAL
ZANE BENNETT CONTEMPORARY ART × MIZUMA ART GALLERY

会期:7月25日(金)〜8月24日(日)

会場:ZANE BENNETT Contemporary Art
435 S Guadalupe St, Santa Fe, NM, USA

http://www.zanebennettgallery.com

http://mizuma-art.co.jp

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